入院して行う検査・治療

心臓電気生理学的検査

心臓電気生理学的検査とは、電位を記録する直径2~3mmの電極カテーテルを足や首の太い血管から心臓内に挿入し、心臓の中のいろいろな場所の心電図を記録しながら電極カテーテルを通して心臓を電気的に刺激する検査です。

この検査により不整脈の原因の精査や、心臓のどの部位に電気系統異常がありどのようなメカニズムで起きるのかなどの情報が得られ、さらには患者様に最も良い治療法を明らかにすることが出来ます。

アブレーション治療を行わない場合でも、薬の投与した状態としない状態で誘発試験を行い、不整脈を抑制できる薬物が決定されます。不整脈を抑制する治療が本当に有効なのか正確に評価する事は極めて大切で、生命予後がより改善することが期待できます。


検査台の上で横になり、心臓の内部へ、4~5本のカテーテルを入れます。通常は、心臓の右側に4本、残り1本を左側か右側のどちらかに入れます。
カテーテルアブレーション治療を行う場合は、更に1本アブレーション用のカテーテルが入ります。
心臓の右側には静脈血が流れておりますので、カテーテルは静脈系の血管を通し心臓の右側に入ります。
心臓の左側には動脈血が流れておりますので、カテーテルは動脈系の血管を通し心臓の左側に入ります。
心臓の右側に入るカテーテルは、右太腿にある静脈から3~4本ほど、右首筋にある静脈から1本のカテーテルを、局所麻酔薬を使い痛みを麻痺させて挿入します。局所麻酔ですので、意識もあり会話もできます。

カテーテルの先端には電極が付いており、そこから電気刺激を流すことによって治療対象の不整脈を誘発します。そのとき、いつもよりも弱い不整脈が生じることも、あるいはより強い不整脈が生じることもあります。より強い不整脈が生じたときには、注射による全身麻酔の上で、電気ショックをかけることもあります。


アブレーション治療の合併症参照


稀に、検査時に不整脈を起こしている部位の活動が止まることがあります。伝導の途絶が長時間にわたる場合、治療すべき部位の指標が無くなりますから、後日に日を変えて検査を行うことがあります。
また、必ずしも検査時に以前起きた不整脈が誘発される、あるいは同じ不整脈が誘発されるとは限りません。
もしも誘発されなければ、後日日を替えて検査を行うか、ある程度見通して治療を始めざるを得ないことがあります。


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